小さな恋の物語

 『イザベルと天使』は、バレンタインにぴったりの絵本。英語版に一目ぼれをして購入した後、邦訳もあることを知り飛びついた。女の子の恋心を描いたちょっぴり切ないお話は、子どもに読むというよりは密かにひとりで楽しみたい種類の絵本かな。恋の舞台は美術館。ハレンスレーベンのマットで大胆なイラストが芸術の香りを漂わせ、本書の生まれた国フランスの雰囲気にお似合いだ。
 ぶたのイザベルが毎日美術館に通う理由は、金縁の赤い椅子に座り目の前に飾られた名画を鑑賞するため。彼女は絵の中の天使に恋をしていた。そんなある日、想いが通じたのか、すてきな奇跡が起こる。
 イラスト中の赤がしっくり効いていて、ぶたと天使という異色の組み合わせを明るく祝福しているかのよう。英語(たぶん原書の仏語も)はイザベルが三人称で表現されているのだけれど、邦訳は一人称。この変換により原書ではおとなしい感じのイザベルが、邦訳ではおきゃんなキャラクターに変身した。いずれにしても、イザベルの魅力は、吸引力抜群だけど。
 さてバレンタイン前日となる昨夜は、カード作りに精を出す。娘のクラスにハート型花びらのロリポップ・フラワーを25個、主人のクラスにシュガー・キャンディー2つ入りの折り紙ハートを23個制作した。アートがらみとなると、わたしにおまかせなので張り切っちゃうなあ。本日はどのクラスもバレンタイン・パーティ。息子は「中学生だから(手作りカードは)もういらない」と言っていたけど、結局みんなでカードを交換したので肩身が狭かったそう。だから「作っていったら?」って提案したのにな〜。(asukab)

イザベルと天使

イザベルと天使