A Family of Poems: My Favorite Poetry for Children

 歌の力ってすごいな、と詩集『A Family of Poems』を読み感じた。編者は、キャロライン・ケネディ。ここには、ケネディ家で親しまれてきた106編の詩が収録されている。
 ずっしり重さが感じられる詩集だが、内容もとても濃い。「ABOUT ME」「THAT'S SO SILLY!」「ANIMALS」「THE SEASONS」「THE SEASHORE」「ADVENTURE」「BEDTIME」の7つのテーマの下、シェイクスピア詩篇などの古典から、ラングストン・ヒューズやジャック・プレラツキーら作の人気の詩が、美しい水彩画とともに紹介される。
 ケネディ家といえば、米国最上流階級の顔である。本書がベストセラーであることも、もちろん知っていた。それでも何となく手が遠のいていた理由は、自分とは別世界の産物だと偏見を抱いていたからかもしれない。
 実はここのところ息子の指の怪我で、ちょっぴり沈んでいた。スポーツでも音楽でも使わなければならない箇所なので、慢性にならなきゃいいな、と。でも、何編か詩を読んでいるうちに、灰色がかった気持ちがすうっと消え、一条の風が感じられた。これが歌の力なんだと思い知らされる。
 芭蕉の俳句(古池や蛙飛び込む水の音/牡丹蘂深く分け出づる蜂の名残かな)が2句あった。巻末ページでの日本語の順番が入れ替わっていたので、出版社に訂正を伝えた。(asukab)
amazon:Jon Muth

A Family of Poems

A Family of Poems