魔笛 Mozart Die Zauberflote

 本日で学校終了。学年末パーティがあったのか、息子はピエロのフェイス・ペインティングをして帰ってきた。お疲れさま〜、中学1年生、よく頑張りました! 
 最後の演奏会を終えた翌週から、オーケストラの授業では映画『アマデウス [DVD]』を観たそうだ。笑ってしまったのが、「魔笛」の登場人物「夜の女王」のオペラ・コンテスト。誰が一番高い声であのメロディを歌えるかという余興で、なんと息子が優勝する。「その声なら売れる!」と先生からお褒めの言葉をいただいたそうで、さっそく実演してくれた。すごい、すごい。天使の歌声は、わたしより高く透き通ったトーンで響く。というわけで夜、絵本『魔笛』をいっしょに読んだ。
 娘パミーナ姫を救い出して欲しいと夜の女王から頼まれたタミーノ王子は金の魔笛を受け取り、銀の鈴を持ったお供の鳥男パパゲーノとともに太陽の神殿に向かった。ところが神殿で太陽の司祭ザラストロに会うと、実は夜の女王こそ闇の呪いをかけている張本人と告げられる。女王は、亡き夫、太陽の王がすべてを司祭に託したことに嫉妬していたのだ。王子と姫、パパゲーノとパパゲーナの恋を交えた冒険は、神殿での試練を克服してクライマックスを迎える。
 シンボリズムの飛び交う美しくて愉快なオペラが、これまた魅力的な絵本になった。人間の本性を見つめる、哲学的教訓があちらこちらにいっぱい。3人の魔女、童子、不思議な動物、昆虫、僧侶ら脇役がそれぞれ象徴的で、何かにつけてイマジネーションをかきたてられた。ゾーヴァのイラストは、自身が舞台美術を担当した公演に沿っているとのこと。登場人物の現代的な衣装が新鮮だった。絶対音楽付きで開きたい作品である。「魔笛」はオペラでもバレエでも夢中になり、日本にいた頃、よくテレビ観賞したものだが、こちらではとんとご無沙汰していた。
 息子の反応。知っている歌の部分は、身を乗り出してページに見入っていたが、それ以外はちょっと日本語が抽象的で難しかったかな。ビデオでオペラ自体を観賞したわけではなかったので、今度DVDを購入してもいいかなと思った。
 「芸術」に浸る充実感が久々に味わえ、わたしは夢心地だった。(asukab) 
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魔笛

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