I STINK! ごみの行方を考えよう

 子どもたちといっしょだと楽しいな。『I Stink! (Irma S and James H Black Honor for Excellence in Children's Literature (Awards))』を読んで、あらためて感じた。何度読んでもそのたびに違う楽しみ方ができるから、絵本ってやはり偉大なのだ。
 「I STINK!(くさ〜!)」と自分で叫んでいるのは、市清掃局のごみ収集車*1。深夜、街角のごみ収集任務に就いている。「おれって、だれ?――でんき つけてるだろ。でーっかいタイヤも10こ ある。エアコンはないよ、おれらしくない。でさ、なんでもふたつずつ あるのさ。ハンドルだろ、アクセルペダルだろ、それにブレーキさ。ぜんぶ りょうがわに そろってる。よる、みんながねむっているときに、おれがなにをしているか しってるかい?」――こんな風に自己紹介して、彼は威勢よく自分の仕事ぶりを紹介してくれる。大事な仕事を誇りを持ってこなす姿が、最高にしびれちゃうなあ。読む声が男性なら、大いに盛り上がるだろう。
 米国は土地があるということで、傲慢にもごみは埋め立て処理である。もちろんいつまでも続けられる行為でないので、目指すところはごみを出さない生活だ。「日本の場合、焼却なのでごみを残していない」と主人に胸を張って言ったら、「(焼却により)空気を汚しているじゃない」との指摘。あらら、どうやって地球を汚さないようにすればいいのか。すべては賢い生活実践によっている。
 とても人気のある作品なので、息子ですら喜んでくれた。声の調子とかいっしょに座って感じる体温とか、部屋のにおいとか、さまざまに異なる状況でのさまざまな絵本体験。劇場パフォーマンスにはもちろん心を揺さぶられるけれど、こんな小さな日常にも同じ心の振動が存在するかと思うと、ひそかにほくそえんでしまう。(asukab)
amazon:Kate and Jim McMullan

  • ごみのABCが愉快(でも、ジャムのビンは、リサイクルしたい)

I Stink! (Irma S and James H Black Honor for Excellence in Children's Literature (Awards))

I Stink! (Irma S and James H Black Honor for Excellence in Children's Literature (Awards))