おしゃべりねこのグリグリグロシャ

 日本経由でないと出会うのが難しいヨーロッパの絵本には、米国では味わえない風味があり、即飛びついてしまう傾向がある。『おしゃべりねこの グリグリグロシャ (講談社の翻訳絵本)』もそんなムードで手にした一冊だが、味わいは意外にも少々和風モダン。絵の雰囲気が、内田隣太郎さんとかはたこうしろうさんとか、そんな風合いだった。
 ページを開けばアート心に弾ける絵本という印象を抱いていたけれど、どちらかというとアートより遊び。後ろ見開きで、「グリグリグロシャの おかしな おかしな おはなし……これで おしまい みんな たのしんで もらえたかな?」と作者が呼びかけるように、付録のお面三枚といっしょに絵本の登場人物に出会うことが絵本の趣旨だったみたいだ。言葉のリズムからも、遊び歌のような感覚が伺える。
 それで娘も内容より、最後のお面に夢中になる。両面使いなので、お面キャラクターは全部で六匹。「グリグリグロシャ、いとこのひょう」「ワニのタムタム、やさしいこぶた」「うわさのめぎつね、みんなのさがすくろいオオカミ」が表裏に印刷され、遊んでもらいたそうにしている。お面は厚紙だけどひげの部分が折れそうで、わたしはラミネートしたいな。加工するまでは少しの間お預けと、娘に話した。(asukab)
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  • グリグリグロシャの動物仲間が大集合

おしゃべりねこの グリグリグロシャ (講談社の翻訳絵本)

おしゃべりねこの グリグリグロシャ (講談社の翻訳絵本)