Merry un-Christmas クリスマス ごしゅうしょうさま
テキマス州クリスマスシティでは、一年のうち364日がクリスマス。毎朝目を覚ましてプレゼントの包みを開け、ディナーに七面鳥、マッシュポテト、五種類のパイを食べる日が続く。主人公ノエールに贈られたぴかぴかの自転車は物置小屋にあふれかえり、ポニーは庭に群れを成していた。でもね、一年に一度だけ、「クリスマスじゃない日」がやってくる。八月十六日だけは、プレゼントの包みも開かなくていいし、写真のポーズをとらなくてもいい。クリスマスツリーも片付けちゃう。クリスマスの間はずっと学校がないけれど、この日だけは学校に行けるんだよ! ノエールだけでなく、友だちのクリスティーン、クリス、クリッシー、ホリー、キャロル、クリストファー、ノエル、クラウス……みんなこの日を心待ちにしていた。
米国社会をたっぷり皮肉った『Merry Un-Christmas』を読み、商業主義一辺倒のクリスマスをおもしろおかしく眺めてみた。「わかっちゃいるけど、やめられない」的な部分があるんだろうなと思いながら。作者は「シンプソンズ」のヘッドライターだったというから、裏返した発想から凝った細部まで納得の展開である。コミカルなイラストが、作風にぴったりだった。
心温まるというタイプではないけれど、ちょっと注目のクリスマス絵本かもしれない。(asukab)
amazon:Mike Reiss
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- Texmas州Christmas Cityに三日間だけ滞在してみたい
- 作者: Mike Reiss,David Catrow
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: ハードカバー
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