渡辺茂男さんの絵本

 id:yamada5さんのブログで本日(二十六日)、訃報を知った。
 渡辺さんの作品には、息子といっしょに絵本を読み始めて出会った。それは「この作品も、あの作品も、この訳者さんだったのだ!」という発見の連続で、なじみのある表紙がガーランドのように連なっていく日々でもあった。
 好きな絵本をリストアップしたら、それこそ人気絵本ばかりになる。うちの――というよりわたしの――ベスト10を挙げてみると……:
しょうぼうじどうしゃじぷた どろんこハリー (世界傑作絵本シリーズ) エルマーのぼうけん (世界傑作童話シリーズ) つきあかりのにわで サマータイムソング (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本) ロージーのおさんぽ (ハッチンスの絵本) ベーコン わすれちゃ だめよ! (世界の絵本) おやすみ みみずく (ハッチンスの絵本) あまつぶぽとり すぷらっしゅ Make Way for Ducklings (Picture Puffins)
 ここに『ボビーとそらいろのヨット―カエデのもりのものがたり』と『おおきくなりすぎたくま』が加わる。十一冊になった!
 ハリー、おさるのジョージ、スモールさん、きかんぼのちいちゃないもうとなどのシリーズ絵本や読み物、ワイルドスミス、マックロスキー、ハッチンスなど著名作家の絵本、わたしたちは読む機会がなかったのだけどくまたくんシリーズなど……。親しみの湧く絵本から想像力のかけめぐる絵本まで、子どもたちの栄養になる作品がぎっしりのリストを見て、足元をしっかり見据えて本作りに携わった方なのだと実感した。
 海外作品の紹介に関して。どこかどこかに個性ののぞく訳が多い中、渡辺さんの日本語には子どもの日常の味がそのまま出ていたと思う。つまりそれが渡辺さんのスタイルだったということなんだろう。子どもの本に携わる人は、日常、現場を核にするからこそ、作品と気持ちがひとつになる。
 たくさんの名作絵本をどうもありがとうございました。渡辺茂男さんに謹んで哀悼の意を表します。(asukab)