The Police Cloud ふわふわくものおまわりさん

 ふわふわくもは、おまわりさんにあこがれていました。「あの帽子をかぶって、人々をたすけるおしごとがしたいなあ」。警察の署長さんに会って話をすると、「くものおまわりさんとはきいたことがないけれど、はたらいてもうらうことにしよう」――。ふわふわくもは張り切って任務につきますが、雲という特性が災いして失敗が続いてしまいます。公園パトロールの勤務に変えてもらっても、人々は雲の影を迷惑がって逃げていく始末でした。悲しくなったくもは泣き出してしまいますが……。
 『The Police Cloud』を読み終え、娘が「かわいいお話だったねえ」としみじみ漏らしました。とってもお姉さんらしい言い方だったので、少々幼い絵本だったかも……という後悔の念は吹っ飛び、正直ほっと一安心。彼女が小さな子どもを見つめる視線で絵本を鑑賞していたのかと思うと、それが逆に成長の証と思え、うれしくなってきました。いろいろな切り口を楽しむ幅が生まれてきたのかな、と。
 本書は、自動車や消防車など、動くものに興味を持ち始める頃の子ども心を捉えて離さない絵本。大人よりも子どもが好む絵本です。そういえば息子にもそんな時期があったのだと懐かしさがよみがえり、2歳ぐらいのあどけなさを思い起こしました。
 裏表紙にマイラ・カルマン*1,*2の一言が掲載されていて、さらにニューヨークらしい絵本に仕上がっています。(asukab)
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