かあさん、わたしのことすき?

 『Mama, Do You Love Me?』(邦訳『かあさん、わたしのことすき?』)は、イヌイットの母と子の会話を通して無条件の愛を描く美しい絵本です。女の子がお母さんにたずねます。

「かあさん、わたしのことすき?」
「ええ すきよ、だいすきよ」
「どれくらいすき?」

 たとえ、いたずらをしても、困ったことをしても、家出をしても、どんなことがあっても、お母さんは女の子への愛を絶やさないと語るのでした。
 ふと感じたことは「どれくらいすき?」という英語表現の「How much?」は、きっと日本語より口に出しやすいのではないか、ということ。絵本の中で女の子は、まるでお母さんと会話でゲームを楽しむかのように、「How much?」「How long?」を投げかけます。日本語だと聞きにくい問いかけじゃないかと思うのは、文化性の違いかな。なぜか、そんなことを感じました。
 特筆すべきは、イラストです。アラスカ文化や風土、自然を伝える日常品、動物たちが鮮やかに描かれ、同じ北西部に住む者として、たっぷり魅せられました。雄大な自然が目の前に現れるような、同地の気高さと温もりをたたえた絵本です。(asukab)

  • 米国では女の子のお人形や、グリーティング・カードがあるほど人気のある絵本。邦訳の再版を希望

かあさん、わたしのことすき?

かあさん、わたしのことすき?