Catching the Moon お月さまとお茶を

 夜な夜な桟橋に出かけては、釣りをしているおばあさん。チーズ好きのねずみに力を借りて、月を釣ろうとしていました。何しろ月のまろやかさは、しっとりチーズにそっくりですから。そんなおばあさんを見て、ある新月の夜、月がおばあさんを訪ねました。そうして、お茶をいっしょに味わいながら、おばあさんの夜釣りの理由を知ることに……。
 『Catching the Moon』はとても評判の高い絵本だったので、ちょっぴり背筋を伸ばして読んでみました。こういう詩的な世界が味わえる心、うらやましいですね。なんというか、一口でいうと、ちょっと大人風味の絵本でした。
 まず作者の言い回しが独特です。ナイトブルーにふわっと浮かび上がるパステル画が、月夜の摩訶不思議な風情をかもしています。そして、おばあさんと月のお茶の場面。それぞれの緑茶、紅茶、ジャスミンティーの香りがほうっと漂う、芳ばしく甘い描写でした。しっとりと心に染み入る光景です。
 詩心のある人に贈りたい絵本。(asukab)
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  • ふんわり、とろんとしたイラストがきれい

Catching the Moon

Catching the Moon