Bear's Day Out 「きょうはみんなでクマがりだ!」の続き

 マイケル・ローゼン文、ヘレン・オクセンバリー絵『きょうはみんなでクマがりだ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)』(原書『We're Going on a Bear Hunt』)の続き絵本と聞いたら、注目せずにはいられません。『The Bear in the Cave』(米国版タイトル『Bear's Day Out』)の見返しイラストは、あの海岸線。月光が照らすくまの背中にほんのり孤独が漂っていた、あの静かな海岸風景から始まります。
 でも、くまは元気です。例の洞穴で歌を歌い、海岸で水遊びして、ふと耳を澄ますと……なにやら魅力的な「音」が聴こえてきました。それはいまだかつて聴いたことのない音です――ブルン、ブルン。こうして、音に惹かれたくまは、いざ街へ! 電車に乗って、市場を通り過ぎ、公園に行き、ブランコに乗って……。この間、くまは常に「音」に取り巻かれています。
 画家が変わり、今度はカラーインクのようなにじみに特徴のある水彩画。美しさと言うよりは、親しみやすさに包まれる印象です。読み手と聞き手の対話があり、擬音語の繰返しがあり、本作もまたお話し会向きの絵本だと思いました。英国ではCD『The Bear in the Cave』も出ているようです。(asukab)
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The Bear in the Cave

The Bear in the Cave

The Bear in the Cave

The Bear in the Cave