I, Matthew Henson: Polar Explorer 北極探検に挑んだマシュー・ヘンソンの伝記絵本

 『I, Matthew Henson: Polar Explorer』は、米国メリーランド州出身の探検家マシュー・ヘンソン(1866-1950)の生涯を記す絵本。
 ヘンソンは両親と死別した13歳の頃、働いていたボルチモアのレストランで航海の話を耳にし、大海に夢を抱いた。その後、ケイティ・へインズ号の給仕として船に乗り込み航海術を学んだが、船長の死後、黒人であることが理由で平等に扱ってもらえず、店員として働きはじめる。このときに探検家ロバート・ピアリーと出会い、北極点探検に挑むことになる。
 1909年の北極点到達は、黒人同伴が理由で承認されなかったという。ピアリーを凍傷から救うなど際立った働きが後になって認められヘンソンの名誉は回復されるが、黒人を巡る困難の米国史が北極の地にも刻まれた。
 ヘンソンは死後半世紀を経た2000年、探検の功績をたたえられ米国ナショナルジオグラフィック協会ハバード賞を受賞。パステル画の美しい伝記絵本。(asukab)
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I, Matthew Henson: Polar Explorer

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