The Baby in the Hat 19世紀の英国がかおる絵本

 『The Baby in the Hat』は、七つの海を征した大英帝国の薫りにたっぷり浸れる絵本。落ち着いた中間色使いの水彩には、植民地政策を推し進め「太陽の沈まない国」となった誇りが気高く描かれる。一種の憧憬さえ抱いでしまうけれど、その裏返しは現在の紛争。衝突の種まきとなった世界史を、皮肉な気持ちで振り返った。
 でも、物語はとても劇的。窓から落っこちた赤ちゃんを助け、船乗り、船長となった男が運命の出会いを果たす。かっこいいよ。その名の通り、英国の絵本。
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The Baby in the Hat

The Baby in the Hat