Epossumondas Plays Possum 南部の風がわたる絵本

 ポッサムという四足獣の、尖がった鼻と鋭い目のいでたち――わたしはちょっと苦手なのだ。いつだったか、夜更けにガラス窓をはさんで「何ものだろう?」と互いににらめっこした相手がポッサム。威嚇する面長の風貌に前歯が覗き、心臓がぎょっと飛び上がった。以来、もうポッサムは目に入れたくない存在だ。なのでポッサムとおばあちゃんの物語"Epossumondas Plays Possum"を手にしたとき、うーん、正直あまりいい気持ちがしなかった。
 しかし、南部訛りを交えた語り、ミックスメディアのイラストが実にすばらしい。「魔物が現れる沼地に行ってはいけないよ」と言われているのに足を踏み入れてしまったポッサムのイポッサモンダス。このイポッサモンダスの子ども性とおばあちゃんのやりとり、南部の風土を伝える描写が、ぴか一の魅力になっている。
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Epossumondas Plays Possum

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