A Christmas Memory トルーマン・カポーティがつづるクリスマスの思い出

 ポール・オースターに引き続き、トルーマン・カポーティの"A Christmas Memory"をCD朗読を聴きながら味わってみた。
 カポーティ7歳の頃のクリスマス物語。両親が離婚したため遠縁の家で暮らしていた時代の思い出である。当時の彼は、いとこ同士という60ウン歳のおばあちゃんを友だちのように慕っていた。感覚としてはわれわれが祖母に抱くような気持ちだろうか。30個のフルーツ・ケーキを焼いたり、クリスマス・ツリーを飾ったり、互いのプレゼントを用意したり、晩秋からクリスマスにかけてお祝いの準備に奮闘するふたりの姿がほほえましかった。
 米国文学の長と評されているカポーティ。南部の人間や自然、文化を伝える細やかな描写が、その理由を証明していると思う。
 こちらの朗読は、早口の南部訛り。でも、おばあちゃんの口調そのもので、臨場感にあふれていた。水彩のイラストにも、追憶の息が流れている。
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A Christmas Memory

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