自然といっしょに遊ぶなら

 子どもと野の自然――そんな絵本を探しているとしたら、わたしは断然『わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)』をおすすめしたい。太陽のぬくもりいっぱいのクリーム色を基調に、素描のようなやわらかいイラストが小さな女の子と動物たちのふれあいをやさしく描く。
 野原で、バッタ、カエル、カメ、リス、カケス、ウサギ、ヘビ……と、生き物に遭遇するたび女の子は「あそびましょ」と近づいていくけれど、みな「捕まえられては困る」と言わんばかりに逃げていってしまう。あきらめた女の子が静かに水辺に腰かけていると……。この場面は自然のあり方をそのまま示すかのような、静けさと安らぎと喜びに満たされる作品一のすてきなページ。子どもの憧れが、そのまま素直に表れている。(asukab)

わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)

わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)