大きな野原での、小さなできごと

 『おおきなのはら』は、1から10までの数を数える絵本。野原を舞台に、かめ、きつね、こまどり、しまりす、みつばち、ビーバー、かえる、ふくろう、くも、うさぎ……のお母さんたちが、自分の子ども(たち)に生活の術を教えようとやさしく手ほどきをする。初版1957年という古い絵本。時代を経ても動物、親子、自然といったテーマは絵本の中では不変で、昔のお母さんたちも同じように子どもたちと絵本を楽しんだことをを思うと心が温まる。
 原書は英国の童謡だが、メロディーとは関係なく訳された日本語は、それはそれで詩の世界を作り出していてすてきだと思った。何しろ「ぽかぽか」「すうすう」「そよそよ」「ぴかぴか」……などの擬態語がぴたりと当てはまる状況に出てくるので気持ちがいい。原書には楽譜が付いているので、親子でいっしょに歌うのがいい。写実的だけどクラシックでやさしい色合いのイラストには、ほんのり幸せが漂う。(asukab)

おおきなのはら

おおきなのはら

  • 作者: ジョンラングスタッフ,フョードルロジャンコフスキー,John Langstaff,Feodor Rojankovsky,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
  • 発売日: 2000/02/01
  • メディア: 大型本
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Over in the Meadow

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