海岸沿いを走る列車

 昨日、息子が無事キャンプから帰ってきた。感想を聞くと、開口一番「帰ってきたくなかった」。それはよかった、そんなに楽しかったんだ。帰宅途中、スリーピングバッグを持ってあげると、空いた手でいろいろお土産を見せてくれる。タイダイで染めた緑のTシャツ。調子に乗って白の枕カバーは虹色のタイダイにした。ボラックスで作ったグーイー。びよ〜んと伸ばす競争では7フィートで優勝したのだとか。あとは、プラスチックリボンで編んだキーホルダー。ピンクと黒という意外な色の組み合わせは、ガールフレンドの影響か? 海岸近くでのキャンプって、わたしは経験がないけれど、潮風に吹かれながらアート教室や科学教室で遊ぶのって楽しいだろうな。
 この海岸には、米西海岸南北をつなぐ列車が走っている。お天気の日に海岸に出かければ、潮の香りと列車の汽笛に包まれながら海を眺める当地ならではの風情が味わえて気持ちいい。列車が駆け抜けるときの様子は『でんしゃがくるよ!』にその感じが表れていて、この絵本を開けば、汽車の大好きだった小さな息子と海岸で遊んだことが鮮やかに思い起こせる。絵本と同じように、ここでも汽笛が聞こえると列車通過の風圧を体験しようと、大人も子どももみな鉄橋に上って待つ。米国の列車・貨車は長くて、北の岬から南の岬までガタンゴトンと貨車が延々とつながり走っている光景を見たときは、この国の広さを思い知らされた。踏み切りでは10分ぐらい待たなきゃいけないので、急いでいるときなど万事休すであきらめの境地だ。でも、子どもは列車の重圧感、音、風、動きが大好きで、いつまでもいつまでもあきずに眺めているんだよね。息子もキャンプの思い出の中に、列車の走る音や汽笛を刻んだのではと思えてきた。(asukab)

でんしゃがくるよ!

でんしゃがくるよ!