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Subway ニューヨークの街を旅しよう

田舎で育った者として本音を言うと、地下鉄は苦手。地下に潜ってゴーゴー音を立てて移動するイメージだけで、強烈な「負」の気が生まれている。 でも、ニューヨークの地下鉄をテーマにした絵本"Subway"は楽しかった。がっかりな雨降りの日にお父さんと地下鉄…

The Trucker 母親のまなざし

"The Trucker"を読みぜったいに、母親がわが子の昔を振り返って描いた絵本だろうなあと思った。 男の子の車好きは、いったいどこに備わっているのだろう。うちの息子も、大好きだった。黒くて、強そうな、まるいタイヤが、ぐるんと動き始める、「移動」の魅…

I Am a Backhoe 子どもの時間

"I Am a Backhoe"を読み、子どもたちが小さかった頃を思い出した。遊びながらひとり言をつぶやく、イマジネーションがいっぱいの子どもの時間のことを。 絵本では、男の子が「はたらく車」になりきって空想に遊ぶ。表紙はバックホー。手で無心に砂をかきあげ…

Otis ぽんこつだからあたたかい

"Otis"は、たらきもののトラクター、オーティスのお話。農場で活躍した日々はもう昔のことで、今はお役目ごめんの身。でも、自分に取って代わった最新鋭の大型トラクターにもできなかった牛の救出作戦を成功させ、みんなから再び喝采を浴びた。 チャコールグ…

Dinotrux 恐竜とはたらく自動車をドッキング!

以前にもあったなあ、男の子の大好きな「恐竜+働く自動車」の絵本。"Dinotrux"も、美味しいとこ取りのユニークな作品だ。 何と言っても登場する自動車恐竜の名称が愉快。これはお父さんもいっしょにのめり込みそうなノリだろうか。確か人類と恐竜は同居しな…

The Firefighters 消防士さんにあこがれる子どもたち

『The Firefighters』は、ごっこ遊びの醍醐味を描いた絵本。遊びのテーマは「消防士」です。ウィーウーウィーウーのサイレンに始まり、アイバーソン先生までいっしょに消防車に乗り込みました――消防車はもちろん、段ボール箱の底をくりぬいたもの。こういう…

Tin Lizzie 今年のクリスマス・プレゼント その4

『Tin Lizzie』は、主人へのクリスマス・プレゼント。趣味にも授業にも使えそうな、自動車がテーマの絵本です。 自動車工のおじちゃんが孫のリジーたちといっしょに直した車は、フォード社のモデルT(愛称ティン・リジー)。今からちょうど100年前(1908年)…

Jon Scieszka's Trucktown Smash! Crash! あえて言ってしまおう 男の子は"破壊"が大好き!

何年か前、教員の方が「思春期の男の子を一言で表す言葉は"破壊"だ」と話していた。鳴り物入りの絵本『Smash!Crash! (Jon Scieszka's Trucktown)』を読み、そういえば……と「破壊」の二文字が脳裏を過ぎった。なるほど……、トラックのジャックとダンプのダンが…

Tip Tip Dig Dig はたらく自動車のお仕事は……

『Tip Tip Dig Dig』は一見、「男の子の好きそうな働く自動車の絵本」と理解したが、全然そうじゃなかった。心和むすてきなメッセージを伝えてくれる理由は、最後のページ。ここが、普通の自動車絵本と一線を画している。 ごみ山の一角を見て、働く自動車が…

Toy Boat 季節はずれの絵本レビュー おもちゃのふねのたび

少年が空き缶とコルク、布切れで作ったおもちゃの船。ある日、浜辺で遊んでいたら波にさらわれてしまった。どんどん沖へと流されて、小船は大海で冒険を重ねることになる。大きな船、レースをするヨットの群れ……先々で出会う船にはみな表情があり、気取り屋…

Close to the Wind: The Beaufort Scale 七つの海で風を受ける

ウェブ時代に入り更なる文明の進化を享受する喜びはたくさんあるけれど、『Close to the Wind: The Beaufort Scale』のような美しい絵本に出会うと、やはり今の時代に生きていて良かったなとあらためて実感する。本書は、架空の海軍見習い将校ウィリアム・ベ…

Lightship 灯台船

昨日の「色」をテーマにした絵本に続き、船の絵本『Lightship』も個人的にツボにはまる。色・アートが父からの影響だとすれば、船は祖父。42歳で結核に倒れ船上生活から遠ざかったが、戦前に客船、戦中に病院船で七つの海を渡った船長の話は、決定的に自分の…

and the train goes… のどかで華麗な汽車の旅

スタイルのある絵本っていいなあ――。『And The Train Goes...』(邦訳『さてさてきしゃははしります…』)を初めて読んだとき、そんな風に感じた。赤と緑が基調のペン画と、旅先で聞くさまざま音が、時代を超えて魅了する。今までに出会ったのことのない不思…

Who Is Driving? うんてんするのは だあれ?

動物といっしょに暮らす生活は、楽しいものです。うちの場合、犬のスクーター、猫のギャビイ、デュークのおかげで、どれだけ愉快な日々が過ごせていることでしょう。彼らのおかげで家族の時間が、何倍も何百倍も彩り豊かになっていることは確かです。いつで…

Fast Food おやさい くだもの しゅっぱつしんこう!

野菜や果物でオブジェを作るシリーズ第六弾『Fast Food』を読む。本作ではきのこさんと長ネギさんが、たくさんの乗り物をご紹介。船、トラック、列車、ヨット、三輪車、気球、潜水艦……スキーやスケート、ソリに乗ったサンタさんも出てくるので、時節も意識し…

THE LITTLE ENGINE THAT COULD

娘の部屋を掃除していたら、おもちゃ箱の中から『The Little Engine That Could: The Complete, Original Edition』が出てきた。懐かしいなあ。息子が誕生したとき、義妹から贈られた一冊だ。絵本に出てくる「I think I can, I think I can.」のフレーズはそ…

「3匹のこぶた」レッカー車版

新聞・雑誌で目にしていたタイトルが『The Three Little Rigs』。これは、レッカー車版「3匹のこぶた」である。舞台はコンクリートの建物に囲まれた工業地帯。倉庫や工場が立ち並ぶ中、載貨車、クレーン車など働く車たちが汗を流している。主人公の3台のレ…

ニューヨークを支えた消防艇ハーヴィ

赤みがかったピンクが基調の表紙は、遠くからでも目を引いた。タイトルは、『FIREBOAT: The Heroic Adventures of the John J. Harvey (Boston Globe-Horn Book Awards (Awards))』(邦訳『しょうぼうていハーヴィ ニューヨークをまもる』)。 手にしてみる…

男の子の勇気…お気に入り船の絵本4部作

船の大好きな男の子チムの冒険が描かれる絵本シリーズ第1作目が『チムとゆうかんなせんちょうさん (世界傑作絵本シリーズ)』。好きなことのためなら何でも行動に移せる――この原動力は、子どもの心に宿る憧れ、衝動、勇気といったもの? チムの姿を見ている…

緑の船は、思い出の中に…お気に入り船の絵本4部作

海岸や港を訪れていなくても、船長になったり水夫になったり、ごっこ遊びの楽しさは留まるところを知らないもの。そんな無限のイマジネーションについて、この『みどりの船 (あかねせかいの本)』は豊かに語っている。 田舎で過ごす夏休み――。姉弟が訪れた緑…

小さな女の子の夢…お気に入り船の絵本4部作

水彩の透明感とさわやかな潮風のまじった、夢を見ているかのような作品が『わたしのおふねマギーB (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)』。自分だけの船を作ることって子どもの憧れだと思うけれど、それを実現させてしまったのが小さな女の子マーガレット…

お船を浮かべて…お気に入り船の絵本4部作

子どもたちは昨日、全校遠足で海岸沿いにあるカーキークパークへ。砂浜で思う存分遊び、赤く日に焼けて帰ってきた。お天気がよかったので、気持ちよかったね。船もたくさん見えたはず。ということで、夏の始まりに、うちで人気の船の絵本を。 波に揺られて浮…

海岸沿いを走る列車

昨日、息子が無事キャンプから帰ってきた。感想を聞くと、開口一番「帰ってきたくなかった」。それはよかった、そんなに楽しかったんだ。帰宅途中、スリーピングバッグを持ってあげると、空いた手でいろいろお土産を見せてくれる。タイダイで染めた緑のTシ…