子どもの時代

 雨が降り始めたので、娘はDVD『A Bug's Life』を鑑賞。30分ぐらいすると、彼女はベッドでジャンプし始めた。虫たちが飛ぶ場面だったのだろうか。ドラマチックな音楽が流れる中、「ぼい〜ん、ぼい〜ん(同時に、ぎしっ、ぎしっ)」とベッドが音を立てている。デスクトップは我々の寝室にあるので、このベッドは当然わたしと主人のベッド。広くてジャンプしやすいのだ。わたしも子どもの頃そうだった。友だちが来ると両親の寝室に招き、2、3人でベッドの上をジャンプ、ジャンプ、ジャンプ〜! 今から思えば、随分迷惑なことをしていた。
 元教員、児童図書司書で、現在は作家活動にいそしむEsme Raji Codellさんの講演会に行ったとき「ベッドでジャンプしながら詩の暗唱をすれば、子どもはすぐに覚えてしまう」というお話を伺い、おお、そのような効用があったのかと感心した。飛び上がるときのリズム、宙に浮いた感じ、呼吸、音、いろんなものが刺激を受けて快感に変わる。時に無味乾燥に思える詩だって、このリズムにはまればすぐに吸収できちゃうんだ。うちにはトランポリンがないから、子どもはベッドで代用することになる。
 それで、娘といっしょに『Five Little Monkeys Jumping on the Bed (A Five Little Monkeys Story)』を読む。プレスクールなどでお馴染みの調子に乗せて。これは、ベッドでジャンプして怪我をしてしまう、ちょっぴり困った5匹のリトル・モンキーたちを歌った遊び詩だ。わたしはこの絵本の色鉛筆画が好き。いろいろな色を重ねて、温かみ、厚み、深みを出しているので、さっそく娘にも話した。このチャントは息子も大好きで、もう中学生になるのに、これだけはいたずら坊主の顔して唱えながらジャンプ、ジャンプしてみせる。(asukab)

Five Little Monkeys Jumping on the Bed (A Five Little Monkeys Story)

Five Little Monkeys Jumping on the Bed (A Five Little Monkeys Story)