ジンジャーブレッドマンから始まった幼稚園

 娘の昨夜の宿題絵本はひとりで読めるシリーズの「ジンジャーブレッドマン」。特にお気に入りのお話なので、喜んで読んだらしい。本人が報告してくれた。そういえば、彼女のこの1年はジンジャーブレッドマンから始まった。
 幼稚園のオリエンテーションは、9月初旬、入学日の前週にあった。午後に2回予定されていたので早いほうに出かけると、4人の入学幼児たちが親子で集まっていた。最初に担任の先生がビッグブックで「ジンジャーブレッドマン」のお話を読む。ジンジャーブレッドマンが「Run, run, run, run....」と逃げていくところを追いかける形で、「トイレ」「図書館」「学校受付」「体育館」「ファミリー・カウンセラー室」「保健室」「カフェテリア」の場所を確認するのだ。楽しいね〜! 壁にはジンジャーブレッドマン型の紙に場所と担当教師の名前が書いて貼られていて、そこで、これまたジンジャーブレッドマン型の名札を下げた新しい先生たちが紹介される仕組み。最終地点のカフェテリアでは担任の先生といっしょにジンジャーブレッドマン・クッキーを食べて、この日のオリエンテーションはおしまい。その間、親は校長先生から入学の心得を聞く、という手順だった。
 家に帰り、わたしはさっそくフェルトで大人の手のひらサイズのジンジャーブレッドマン・パペットを、色違いで2つ作る。ベージュのパペットは娘の幼稚園担任の先生に、薄こげ茶色は娘にプレゼント。来年のオリエンテーションには、先生がパペットを手につけ、「Run, run, run, run...」と演出してもらえたらうれしいな。わたしも、この手のことには乗ってしまう性格なのだ。
 「3びきのくま」や「3びきのこぶた」などと同じように、こういうストーリーテリングでも語られるお話は、多くの作家が絵本として作品を出している。入学の日にはクラスでジャン・ブレットの『Gingerbread Baby』を読んだらしく、これはうちにもあるので、絵本を手に取り娘は大感激していた。緻密で上品な画風が特徴のブレットの作品は、どれもコレクションにしてしまいたいほど気高い美しさにあふれている。このジンジャーブレッド・ベイビーは、冬のお話ではあるけれど。
 日本では「しょうがぱんぼうや」でおなじみのお話。でも、もっとも知られているのは、きっと、『おだんごぱん (日本傑作絵本シリーズ)』。これは、わたしも大好きな絵本だった。最後に食べたきつねがうらやましく仕方なかったなあ。うちでは、(うちでも?)おだんごぱんの挿入歌をオリジナルソングとして歌いながら盛り上げていくのが、お決まりの読み方になっている。
 ジンジャーブレッドマンで始まった娘の幼稚園の1年間は、来週火曜日でおしまい。先生への贈り物、今週末に準備しなくちゃ、とあせる。(asukab)

Gingerbread Baby

Gingerbread Baby