夏のはじまりに

 金曜日は、娘のクラスで昼食会。メニューはスパゲティ・ナポリタン、フルーツサラダ、バター・ブレッド、ドーナッツにりんごジュース。果物を切ったり、バターをぬったり、前日にドーナッツの生地作りをしたりと、子どもたちは準備に大忙し、もちろん同時に大喜びだったらしい。スパゲティは、担任の先生のご主人によるもの。部屋の飾りつけも、テーブル上のプレースマットも全部手作り。生徒たちはみんなとても誇らしげだった。いいなあ、こういうシンプルで心のこもったパーティって。参加した家族は7家族と全体の1/3だけだったけど、教室は喜びに満ちていた。
 クラスは最後の単元動物で海洋動物について学んでいるので、黒板あたりには海の動物のぬり絵切り抜きがたくさん飾られていた。娘は海に関するいろんな事実を結構吸収しているようで、これには驚く。子どもがこういう自然事象に興味を持ち出すと、もっとノンフィクション絵本を揃えたいなあと思うけれど実現はできていない。学年が上がるにつれレポート提出などでノンフィクション絵本は大活躍するので、中学生になる息子のことも考えながらいいものは揃えていきたいな。息子が小さなときは、わたしが何も気づいていなかったので振り返ると反省ばかり。
 娘のリクエストは案の定、ノンフィクションの海洋絵本だったが、家で読んだのは『うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)』。これは『いっすんぼうし (日本傑作絵本シリーズ)*1であきのふくさんの日本画に魅せられて購入したものだ。透明感のある西洋水彩画と比べると、日本画はくすんだにごり具合がなんとも優しい。浜辺の波、泡の描かれ方が柔らかくて、太郎さんの思いやりのある気持ちと程よくかみ合っている。海の御殿の描かれ方もすてきだなあ。四季の部屋の美しいこと。五色の色合いの魚たちに加え、娘もここはお気に入りになったようだ。
 フィクションの世界で遊び、ノンフィクションの世界で学ぶ――どちらにも楽しさが存在するから子どもは喜ぶし、わたしもうれしい。これだから、絵本収集はやめられない。前者は翻訳絵本で、後者は原書絵本で集めていくことになる。(asukab)

うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)

うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)