世界のお姫さま、海賊の絵本

 英米の絵本は、おとぎ話をベースにした「間テクスト性」から成る作品が多い。『The Princess and the Pea』(『えんどう豆の上のお姫さま』)は、全ページカラーのお話集『The Barefoot Book of Princesses』で出会った。ここには、デンマークペルシャ、アフリカ、中央アジア、中国、北米、ドイツのお姫さまのお話(全7話)が美しい水彩画とともに収録されている。同様に『The Barefoot Book Of Pirates (Barefoot Collection)』は、北欧、英国、ドイツ、アイルランド、日本、スコットランド、モロッコの海賊のお話(全7話)を収録する。
 日本のお話の中でモチミツという少年がバイオリンを弾いているイラストには琵琶の間違いと失笑したが、それ以上に鮮やかなイラストがシリーズ全体を圧倒しているので文化・時代考証は気にならなくなった。楽器の絵と音色は異なろうとも、伝えようとする心は同じである。その思いに打たれた瞬間から、「絵」に力の込められた作品が、心底愛しく、かわいく感じられるようになった。
 娘は昨年、幼稚園にこのお姫さまの本を持っていきクラスの前で紹介した。まだ、全話読んでないというのに。学校の図書館でも、白雪姫やシンデレラをはじめお姫さま関連絵本の人気は突出して高い。貸し出し数が多いので、おとぎ話の本棚整理はいつも時間がかかってしまう。小学生の女の子はみんな、お姫さまや妖精が大好きである。(asukab)

  • 世界のお姫さまお話集(全7話)

The Barefoot Book of Princesses

The Barefoot Book of Princesses

  • 世界の海賊お話集(全7話)

The Barefoot Book Of Pirates (Barefoot Collection)

The Barefoot Book Of Pirates (Barefoot Collection)