今年もやってきた! ハロウィンの絵本#1

 砂糖かえでの甘い香りがひんやりと肌に感じられる頃、子どもたちの心はハロウィンに向けて踊り始める。「今年は、妖精〜」といったかと思えば次の日には「狼〜」と言ったり、何になるかは子ども心と秋の空……で、結構揺れ動く。息子はすでに決めたようだが、娘は直前まで決められないだろう。
 米国でハロウィンの定番絵本といえば、『The Hallo-wiener』(邦訳『ハロウィンナー』)が一番人気じゃないかな。英語で読んでおもしろ〜い!と感動したので、邦訳があることを知ったときには絶対こちらも読まねばの気持ちになり、さっそく今年のハロウィン用に注文した。夏に届いたので、秋が待ち遠しかったなあ。デビューを飾った昨夜は最初に英語、次に日本語という読み方をした。
 ダックスフントのオスカーは、足が短くて胴が長い。仲間たちはその姿を「よお、ウインナー!」と言ってからかった。もちろんオスカーは、そのあだ名が大嫌い。なのに、お母さんまでオスカーの気持ちをわかってくれず「いってらっしゃい、ウインナー!」なんて手を振るしまつだった。でも、今日はハロウィン。いやな気持ちも吹っ飛んでいく。夜になったら怖いかっこうをして「おかしをくれなきゃ いたずらするぞ」と言って家々を訪ねるんだ。ところが家に帰ってみると、お母さんがとんでもない衣装を用意していた。それは、大きなホットドッグの服。からしの飾りまでついていて、中にオスカーがウインナーソーセージとして入る作りになっていた。うれしそうなお母さんを悲しませたくないオスカーは、しぶしぶと衣装を着ることにする。そして、夜がやってきた……。
 デイヴ・ピルキーは男の子を夢中にさせた人気読み物シリーズ『The Adventures of Captain Underpants』(邦訳『パンツマンたんじょうのひみつ (スーパーヒーロー・パンツマン 1)』ほか)の作者。この絵本でもちょっぴりおふざけ風のイラストは、ばっちり子どもの心をとらえてしまう。いつも仲間たちから笑われていたオスカーはどんなハロウィンを迎えるのか。軽快なコメディ絵本は、ウィンナーならずウィナー(勝利者)の気持ちも味わえる笑いを提供してくれる。(この洒落がおもしろい。)これは息子も娘も大好きな絵本なので、これからほぼ毎晩リクエストに上がりそう。ぺちょっとたれた黄色いからしが印象的な題字が、日本語でもきれいに表れているのでうれしかった。このからしが「ホットドッグらしさ」を演出するんだよね。
 ハロウィンまで、あと1か月ちょっと。実はうちの場合、これほど親として燃えてしまう年中行事はないのである。息子が小さかった頃は、彼の衣装作りに全身全霊を傾けてかなり熱中していた。(フード付きのスウェット上下に、フェルトで部分や飾りを縫い付けるやり方が基本。簡単で何でも作れてしまう。)息子など、プレスクールの頃、毎年何に扮するかを書いた10年計画リストを作っていた。白くまとか、犬、ライオンが入っていたような気がする。以下、忘れないうちに子どもたちが何に扮したのか記しておこう。

  • 息子
    • 0才:かぼちゃの帽子、ジャック・オ・ランタンのよだれかけ
    • 1歳:てんとう虫(てんとう虫の小さなぬいぐるみをいっしょに縫い付けた。黒い長靴をはいて、可愛かった〜!)
    • 2歳:くも(Parenting Magazineからのアイデア
    • 3歳:かえる(『カポックの木―南米アマゾン・熱帯雨林のお話*1に出てくるアオガエル。このいでたちでチルドレンズ・ミュージアムへ。バスでも、モールでもたくさんの人に声をかけられ大人気。)
    • 4歳:ねずみ(『もしもねずみにクッキーをあげると』風。チョコレートチップ・クッキーをいっしょに縫い付けた。厚めのフェルトで耳を作ったのでしっかり立ち、赤いポンポンの鼻を含めデザインをほめられた。)
    • 5歳:ゼニガメ(この頃から、うちはケーブルがないから見ていないにもかかわらずテレビ文化の影響が……。染めるところから始める)
    • 6歳:デジモン・グレーモン(角や牙、長いしっぽを付けたりとかなりの大作。これも染めるところから)
    • 7歳:ゲッコー(やもり。結構高価なつるつるした素材の布を使用。この年あたりから、「ママ、もうコスチューム作らなくていいよ」の声が……、一抹の寂しさ。コスチューム作りは、ママの一番の楽しみだったのにな。翌年からは息子の自作に。)
    • 8歳:『ハリー・ポッターと賢者の石 (1)*2の首なしニック(雑誌に出ていたアイデアを活用して自分で制作。これは学校で大人気だったらしい。)
    • 9歳:ホーボー(父親の背広を着ていく。)
    • 10歳:メキシコの死者の祭り風ガイコツ(ガイコツのゴム製マスクを買ってもらい着用。南米の帽子をかぶり、ギターを抱えて、フラメンコ風の曲をつまびきながら登場。各家庭で大受けだった。去年は、涙が出るほど笑ったハロウィン。)
    • 0歳:かぼちゃの帽子、ジャック・オ・ランタンのよだれかけ(息子と同じ)
    • 1歳:てんとう虫(息子と同じ)
    • 2歳:こぶた(ピンクのスウェット上下で制作。彼女にぴったり、可愛かった!)
    • 3歳:かえる(息子と同じ)
    • 4歳:黒猫(黒のスウェット上下で制作。)
    • 5歳:黒いテリア犬(『もしゃもしゃマクレリーほねだいすき*3のもしゃもしゃマクレリーになる。マリナーズの景品でもらったビニール製の骨――Boneのニックネームで親しまれたJ・ビューナー外野手をたたえて「Hail to the Bone!」(骨万歳!)と記されたもの。彼の引退後、イチロー右翼を守ることに……――を持ってハロウィン・パレードに参加。これもかわいい〜と大評判だった。)

 娘は息子の影響でいろいろな動物に扮したけれど、今年あたりは女の子の定番、お姫さまや妖精になる年かな〜と読んでいる。ある私立学校では、歴史上の人物に扮して発表・レポート提出をする学習ハロウィンにしているというから、そんなプログラムが息子の学校にもあればいいなと思った。今年も、今からワクワクである。(asukab)

ハロウィンナー

ハロウィンナー