息子と読む『葉っぱのフレディ』

 以前に読んだのは、息子が小学3年生ぐらいだった頃だろうか。読後の第一声が「長いお話だねえ」だったけれど、次の日の下校時、「フレディ、見つけたよ!」と黄色い葉っぱを2枚手渡してくれたんだった。紅葉が散り始めたから、『葉っぱのフレディ―いのちの旅』を読むには今が1番だろうと、またいっしょにページを開く。彼にも音読してもらおうかなという欲を思い流し、読み始めた。
 フレディとダニエルの会話は、読むたびに新鮮な響きを伴う。生きるすばらしさが、春夏の木漏れ日にあふれ、静かに秋を迎え冬を待つ姿は、美しさそのものである。当たり前のことが描かれるだけなのに、フレディたちの生き様はみごとに胸を打つ。当たり前のことだからこそ、深く入り込むのか。
 春、夏、秋、冬……巡る自然の中での暮らしは、それだけで心にさまざまな彩りを添えてくれる。最後の1文は、息子に読んでもらった。(asukab)

葉っぱのフレディ―いのちの旅

葉っぱのフレディ―いのちの旅