テディベアのクリスマス

 クレメント・ムーアの有名な詩――作者は別人という説も聞いたことがあるけれど――は、さまざまなアーティストが絵本化している。いろいろある中で結構リクエストされるのが、テディベアの写真絵本『あしたはたのしいクリスマス―The Teddy Bears’ NIGHT BEFORE CHRISTMAS』。ここではサンタも、登場する一家もみんなテディベアで、表紙を見たとき「これは娘に!」と直感した。魅力を分析すれば、ごちゃごちゃおもちゃ箱をひっくり返したような背景に親しみが湧くことだろうか。詩人による邦訳も、小さな子ども向きである。『ミッケ!―いつまでもあそべるかくれんぼ絵本 I SPY 1』のような趣向なので、クリスマス版『ミッケ! クリスマス―I SPY 3』といっしょに開くのも楽しいね。
 巻末には、原詩と解説が付く。つまり、名詩が子ども部屋で味わえる感覚なので、わたしも知らず知らずのうちにこの絵本を選んでいるのかもしれないな。うちではクリスマス・キックオフ絵本として、毎年季節の1冊目に読んでいるような気がする。(asukab)

あしたはたのしいクリスマス―The Teddy Bears’ NIGHT BEFORE CHRISTMAS

あしたはたのしいクリスマス―The Teddy Bears’ NIGHT BEFORE CHRISTMAS