小さな子どもたちに、南欧のクリスマス

 クリスマスといえば絶対にはずせない『まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15))』。8日に記したアドベントのクリスマス絵本にも加えなおす。自分でリストを挙げたものの、なかなかゆっくり絵本が読めず、ちょっぴりどころかだいぶ落ち込み……という状況。「心」を「亡くす」と書いて「忙しい」――。忙しいクリスマスは、いらないのだ。
 娘の大好きなまりーちゃんシリーズのクリスマス絵本は、それはそれは宝物になる1冊。赤いスカーフがかわいらしくて、いつも娘とまりーちゃんを重ね合わせてしまう。クリスマスを迎え心おどるまりーちゃんと、自分はプレゼントがもらえないと沈む羊のぱたぽんの会話は、彼らの純粋でけなげな姿を素直に描いている。クリスマスがどれほど特別なできごとか――質素な農村の暮らしを考えたら1年に1度のお祝いは、贈り物であったり、再会であったり、夢がほんものになる大切な季節だったんだろう。
 南欧の素朴な聖夜が伝わる絵本。1度読んだら、心のお星さまになって光り続けてくれる。(asukab)

まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15))

まりーちゃんのくりすます (岩波の子どもの本 (15))