クリスマスがはじまった!

 お気に入りクリスマス・キャロルの邦訳版とあり、『クリスマスの12にち (世界傑作絵本シリーズ)』には興味があった。あの早口言葉のような遊び歌をどうやって日本語にするのだろう。そう思いながら付属のCDに耳を傾けると、「!」――。これはすばらしい。ボーラムの楽しいイラストに飾られた歌詞は、印刷されたページ上だけでなく、陽気なメロディに乗りみごとな芸術になっていた。
 訳者の鷲津名都江さんは、歌のお姉さんとして知られる小鳩くるみさん。ロンドン大学留学後、大学教授としてマザーグース、英国児童文学研究に専念されている。なるほど、そういうことか。幼少期から日本語のリズムになじんだ方ならではの語感が、訳詩にそのまま表れているもの。くるみお姉さんの歌声につられ口ずさんでいると、かたわらにいた息子が「いっぱい言葉が入ってるねえ」と一言。そう、そこが楽しいんだよね。
 今日から顕現日までの12日間、楽しい降誕節を!(asukab)

クリスマスの12にち (世界傑作絵本シリーズ)

クリスマスの12にち (世界傑作絵本シリーズ)