冬のお茶会

 待ちに待ったハースの新作絵本『Bess and Bella*1を手にする。かわいい、絶対娘が喜ぶ……と感動し、鑑賞する間、時が止まっていた。
 ブルーグレイを基調にミルク色のベールで包まれたようなイラストは、冬のお茶会を描く。主人公の女の子べスが、雪の中お人形とお茶会を開いていると、空から小鳥のベラが落ちてきた。南に旅する途中、羽根が凍えて飛べなくなってしまったから。こうしてべスはベラをお茶に招待する。すると、犬の消防士たちがやってきて……。
 ため息もので、かわいい。部屋の中でなく雪の中でお茶会っていうのがすてきに思えた。小さな者たちの小さな物語を描くスタイルはほとんど思い描いたとおりだったけれど、意外な点もあったので記述。まず、20センチ四方(ほんの少し横長)という小判は、実は予想外。『A Summertime Song』(邦訳『つきあかりのにわで サマータイムソング (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)*2*3)のように大きくしてもいいんじゃないかと一瞬思ったけれど、ゴージャスな夏の夢に比べひっそりしたあたたかさを象徴するという意図ならこのサイズも納得。次に、ツルツル素材の紙。雪のキラキラ感を出す目的かな。最後に、帰結。ふんわり夢のように終るのだろうと読んでいたところ、現実味のある締めくくり方だった。他の絵本でも見かけるわりと普通のエンディングなので、ハースらしくない。でも、子どもには絶対この形が向いている。
 絵本ばかりに浸ってないで、お掃除、おせち準備〜! (asukab)

Bess and Bella

Bess and Bella