ローザ・パークスの笑顔

 マーティン・ルーサー・キングJr.記念日に合わせて読もうと思っていた『Rosa (Caldecott Honor Book)』(邦訳『ローザ』)を、1週間遅れで息子と読む。公民権運動を高めたローザ・パークスのバス・ボイコットは、米国のアイデンティティーを示す大切な史実だ。子どもたちは幼稚園からパークスやキング牧師のことを学び、米国に生きる意味を模索し始める。昨年10月に亡くなったパークスは享年92歳。強い意志と愛らしい笑顔は、誰をも魅了したんだろう。
 息子にはおなじみの史実だと思うけれど、バスの中でのできごと、その後の運動の広まり方はキング牧師の絵本*1を描いた画家ならではの写実+コラージュ手法で熱く再現され、感じ方がまた違ったのでは。アラバマの暑熱の気候をオレンジがかったクリーム色で表したというイラストが、丁寧に克明に当時を伝えている。
 わたしと同じ年で正しい行動を示したパークスを思うと、アラバマ州モンゴメリーから広まった「熱」に触れるような気持ちになる。正しさと真実を見抜く目が、いつも持てますように。彼女の笑顔は、その目を持ちえているからこそ輝いている。(asukab)

ローザ

ローザ

  • 作者: ニッキジョヴァンニ,ブライアンコリアー,Nikki Giovanni,Bryan Collier,さくまゆみこ
  • 出版社/メーカー: 光村教育図書
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 大型本
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