1938年受賞作 Animals of the Bible

 動物に関連する聖話や詩篇を欽定英訳聖書(The King James Bible)の中からイラストとともに紹介する絵本。旧約19話、新約12話の全31話を聖書から抜粋して掲載する。丁寧で写実的なモノトーンの鉛筆画(のように見える)は、片面1ページであったり、見開き2ページであったり、お話によりさまざま。「動物」の存在が子どもの心を引き付けるので、日曜学校で利用したら楽しいレッスンが持てそうだ。もちろん歌とゲーム、アートを交えて。動物というテーマで絞るからこそ、平面的になりがちなお話が鮮明なイメージとして心に残る。ストーリーを選んだ作者も、聖書の中で象徴的に扱われる動物に主眼を置いて編んだ目的をそう語っていた。日曜学校教師には必読絵本といえるのでは。
 自分の経験を語ると、米国には米国聖公会編集の立派な教案集があるので非常にレッスンプランが立てやすかった。というか、そのとおりに進めてうまくいったものだ。日本では日基の月刊誌からアイデアをいただきながら一から自分で組み立てなければならず、土曜日の夜など気が重かったりして……。大学の頃、この絵本に出会っていたら、もっと柔軟な発想ができていたんだろう。イラストを変えて今風に編んでも、すてきだと思った。
 聖書からの掲載順抜粋リストは以下のとおり。(asukab)

聖話・詩篇 該当箇所 イラストの量
天地創造 創世記1章20〜26節 見開き2ページ
へびとイブ 創世記3章1〜6節、8〜15節 右1ページ
ノアの箱舟 創世記6章13〜22節 見開き2ページ
ノアを助けたハト 創世記8章6〜12節 右1ページ
アブラハムの羊 創世記22章3〜13節 右1ページ
イサクのらくだ 創世記24章1〜4、10〜12、14、15、17〜20節 右1ページ
身代わりのヤギ レビ記16章8〜10、21、22節 右1ページ
バラムのロバ 民数記22章21〜34節 右1ページ
ダビデがライオン、くまから羊を救う サムエル記上17章32〜37節 右1ページ
エリヤを養ったカラス 列王記上17章1〜6節 右1ページ
動物について語る神 ヨブ記39章5〜8、19〜29節 右1ページ
べへモス ヨブ記40章15〜24節 右1ページ
レビヤタン ヨブ記41章1〜5、9、10、13〜34節 右1ページ
雄鹿 詩篇42章1節 右1ページ
詩篇103章1〜5節、イザヤ書40章28〜31節 右1ページ
渇きをいやす動物たち 詩篇104章10〜12、16〜28、31節 右1ページ
ダニエルのライオン ダニエル書6章16〜23節 右1ページ
ヨナと大きな魚 ヨナ書1章1〜7、12〜17、2章1、2、9、10節 右1ページ
その他の旧約の動物たち、牛 詩篇50章10、11節 なし
同上、すずめ 詩篇84章3節 なし
同上、ペリカン 詩篇102章6、7節 なし
同上、鷲、へび、蟻、うさぎ、バッタ、蜘蛛、ライオン、犬、ヤギ 箴言30章18、19、24〜31節 なし
同上、雄鹿、ドラゴン、ライオン イザヤ書35章6、7、9節 なし
同上、羊 イザヤ書40章11節 なし
同上、ドラゴン、梟 イザヤ書43章18〜20節 なし
同上、羊 イザヤ書53章6、7節 なし
同上、らくだ イザヤ書60章6〜8節 なし
同上、亀、鶴、すずめ エレミヤ書8章7節 なし
馬小屋のクリスマス ルカによる福音書2章1、3〜7節 右1ページ
羊飼いのクリスマス ルカによる福音書2章8〜20節 右1ページ
放蕩息子 ルカによる福音書15章11〜24節 右1ページ
きつねの穴 マタイによる福音書8章19、20節 右1ページ
悪霊に苦しむ娘を持つカナンの女 マタイによる福音書15章21〜28節 右1ページ
網にかかった魚 ルカによる福音書5章3〜7節 なし
良きサマリア人 ルカによる福音書10章30〜35節 なし
良き羊飼い ヨハネによる福音書10章1〜16節 なし
棕櫚の主日 マルコによる福音書11章1〜9節 右1ページ
にわとり、ひよこ マタイによる福音書23章37節 右1ページ
ペテロと雄鶏 ルカによる福音書22章54〜62節 右1ページ
神の国 イザヤ書11章4〜9節 見開き2ページ

Animals of the Bible

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