THE ART BOOK FOR CHILDREN 子どものためのアートブック

 個人的にアートブック、あるいはアート色の濃い絵本に目がない。多分このブログのカテゴリーで、量的に1番多いのではと思うほど。こればかりは見た瞬間に購入が決まっている。
 『The Art Book for Children』は、時代もメディアもさまざまなアーティスト30人の作品を取り上げ、画法、背景、スタイルに迫るアートブックである。「子どものため」と謳っているので、もちろん子どもの視点を意識して作品を取り上げる。たとえば、モネとルソーの作品を比較したり、『オリビア』にも出てくるポロックのアクション・ペインティング現場を紹介したり、野菜や果物で描くアルチムボルドのポートレイト(これ、子どもの頃、大好きでした)を見て自分も「物」で顔を描いてみようなど、ハンズオン的にあなたもやってごらんとアートを提示する。
 そんなわけで、わたしは早速そのお誘いに乗ることになる。眺めているだけで、ワクワク、ムズムズ、作品に飛び込んでいる自分がいるのだから。子ども向けなので、こんなに気持ちが弾むのだろうか。この本の影響で先日、アートのカードゲーム(「ゴー・フィッシュ」のアート版)を購入したほどだった。
 わたしが小さな頃は分厚い画集ばかりで、こういう子ども向け参加型で本格的なアートブックはどこにもなかった。おすまし顔の名画全集もなかなか圧巻だったけれど(開くのが怖かったり、でも同時に密かな楽しみだったり)、こんな友だちみたいなアートブックにも出会いたかった。
 最近邦訳『子どものためのアートブック』が出てびっくり。日本語のほうがよかったかな、と少々気になっているところである。
 30人のアーティストは次のとおり:アルチムボルド、ギルバート アンド ジョージ、ブリューゲルポロックレオナルド・ダ・ヴィンチ、ライリー、ボッティチェリ北斎、マルティーニ、クリスト アンド ジャンヌ・クロード、バッサーノ、ミロ、ドガピカソ、アルトドルファー、ルソー、ウッド、ジャコメッティ、ベラスケス、シャーマン、ターナーゴッホレンブラント、ウォーホル、ホルバイン、クーンズ、カルパッチョ、モネ、ジャッド、アイク。(asukab)

子どものためのアートブック

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