Mercy Watson Goes for a Ride

 マーシー・シリーズ*1第2弾『Mercy Watson Goes for a Ride』を読む。
 毎週土曜日は、ドライブの日。ランチの後、ワトソンさんとぶたのマーシーは、ピンクのキャデラックを走らせ風を切る。お隣のリンカーン姉妹は、ワトソン家の様子が気になってしかたがない。特に姉のユージーナは、ぶたが人間といっしょに行動することが気に入らなかった。妹のベイビーは姉に同調しながらも、本音はうらやんでいたけれど。ある土曜日、ユージーナは妹のいないことに気付く。ベイビーは実はこっそりキャデラックに乗り込んで、マーシーたちといっしょにドライブに出かけていた。突然、後部席からベイビーの声が聞こえ、ワトソンさんとマーシーはびっくり。そのすきにマーシーは憧れの運転席へと乗り込んで、キャデラックを運転し始めた。重たい巨体が膝に乗り、ワトソンさんはブレーキを踏むこともままならない。この光景をおまわりさんが目撃して、すったもんだが始まった。
 最後には例のごとく、バターのたっぷり塗られたこんがりトーストが食卓を飾る。このお茶の間劇場的なストーリーを楽しむには、登場キャラクターたちの個性を味わうのが一番だろう。今回は、自問自答を繰り返す警官トミレーロさんが光っていた。キャデラックは、車好きの主人に言わせると1959年型だそう。パトロールカーの型は60年代前半ということで、マーシー・シリーズはちょっとレトロな時代のお話である。
 次作『Mercy Watson Fights Crime』は、すでに9月発売が決まっている。(asukab)
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Mercy Watson Goes for a Ride

Mercy Watson Goes for a Ride