CINDERELLA ベルサイユ宮殿のシンデレラ

 娘7歳、わたし43歳。本日米国時間7月10日に娘は日本で7月11日を迎え、別々の地で同じ日に母子ともに誕生日を祝う体験をした。彼女は親しいお友だち2人を招き、ケーキをいっしょに食べたそう。この日のために贈ったばら柄フューシャ・ピンクのワンピースを着て、笑顔を振りまいた娘を思うと会いたくて仕方がない。お誕生日、おめでとう! 7歳になったマリアしおんちゃんに早く会いたいです。残り1か月を切ったので、あともう少し。
 さて、わたしの「43」という数字。当日になってしまえば、いつもと同じ一日という気分。でも、自分の中では「しゅん……もう若くない」と「いえいえ……まだ若い」の葛藤が繰り返されている。これが、40代を象徴する発露か。
 特別な日には特別な絵本を読みたいなと思い、手持ちの中から選んだのが『Cinderella (Golden Kite Honors)』である。わたしも娘と同様、お姫さまが大好きだった。自己流アート制作にのめり込んでいたのが自分の幼少期だが、中でも紙とリボンで作ったお姫さまは一番のお気に入りだった。思い起こしてみれば、このお姫さまにもフューシャ・ピンクのドレスを着せていたような気がする。とっぷりと夢の舞踏会ごっこに浸っていたのは、低学年の頃だったかな。絵本を手にして、懐かしいときめきがよみがえった。
 中東が起源とされるシンデレラ逸話だが、本作品はペロー版に忠実に従った内容で、ベルサイユ宮殿をモデルにしている。太陽王ルイ16世マリー・アントワネットの生きた時代が豪華に再現され、究極のお姫さまとはこのような姿を指すのだと頷かずにはいられなかった。イラストはペン画で、一見グリーナウェイ風。作者がパリ・オペラ座、同宮殿を訪ねた際味わったという興奮や刺激は、どのページからも伝わってきた。制作中は、さぞかし夢見心地だったことだろう。シンデレラのドレスを見て、自分でもデザインしたい衝動に駆られた。娘が戻ったら再び開き、舞踏会の雰囲気に酔いしれよう。(asukab)
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Cinderella (Golden Kite Honors)

Cinderella (Golden Kite Honors)