KOALA LOU コアラのルーちゃん

 『Hunwick's Egg*1に魅せられて、さっそく同じ作者コンビによる『Koala Lou』を読んだ。カラフルな鉛筆画も然ることながら、まずルーちゃんの愛くるしさに絶句。ぱちりとしたお目目、背中を丸めた小さな姿が、この世に生まれ出てきた息子、娘の表情、体形そのもので、「もう絶対、娘の誕生日にレビューを書かなくちゃ」と思っていた。
 「だいすきよ、ルーちゃん!」――。いつもいつもお母さんから言われていたのに、弟妹たちが生まれてからお母さんは忙しくてルーちゃんといっしょの時間を過ごせない。ルーちゃんはお母さんからまた声をかけてもらいたくて、森のオリンピックに出場する。木登り競争で一等になれば、きっとまたお母さんが「だいすきよ、ルーちゃん!」と言ってくれると思って。
 オーストラリアの大自然を背景に、「無条件の愛」が描かれる。なんてすてきな関係なんだろう。当たり前のことだからこそ、忙しさを理由にしてはいけないと感じた。つまり「心を亡くす=忙しさ」は、いらない。
 息子にオーストラリアのことを話したら、目を輝かせて「住んでみたい」と言っていた。「(コアラやカンガルーの)袋の中に入ってみたい」とも。(asukab)
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Koala Lou

Koala Lou

*1:Hunwick's Egg 2006年6月24日