FUN WITH MRS. THUMB あそぼうよったらおやゆびさん

 先週一週間、バケーションに出かけたご近所の家族に頼まれ、息子が庭の水くれ、猫・魚のえさ係を担当した。それ以来、猫のミッキがうちを訪ねるようになり、ちょっとした猫ブームが起こる。「にゃお〜」と、か細い声で人懐っこく擦り寄られると、こちらのほうまで猫なで声になってしまう。息子の部屋がお気に入りで、飼い主の留守中まるでうちのペットのように振舞っていた。
 そこで息子と『Fun With Mrs Thumb』(邦訳『あそぼうよったらおやゆびさん』)を読む。ドールハウスに住む小さな木のお人形おやゆびさんとオレンジ猫のお話だ。文章が猫の視点、イラストがおやゆびさんの視点で表され、遊びたい猫と静かにしていたいおやゆびさんのすれ違いがおもしろい。
 それにしても魅せられるのは、丁寧に描かれたイラストである。水彩色鉛筆画かな。ドールハウスの陶器、銀食器、置物、敷物……に始まって、おやゆびさんのドレスに付けられたビーズとか刺繍まで、こちゃこちゃ小さなものが好きな人にはたまらない。
 ドールハウスは憧れだが、立派なものはとにかく高価。手作りは無理とわかっているので、作らず終いだった。なので、かわりにこの絵本を眺め、目の保養にするのがいいかな、と。猫のイラストで有名なニコラ・ベイリーだけど、わたしはドールハウスとおやゆびさんにぞっこん。息子が傍観する中、ひとりでうっとりしていた。(asukab)
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  • 原書も含め、在庫なしの模様……小さな絵本です

あそぼうよったらおやゆびさん

あそぼうよったらおやゆびさん