First Grade Stinks! お勉強が始まる一年生

 そろそろ新学期のことを意識してもいいんじゃないかなと思い、『First Grade Stinks!』を娘と読む。
 義務教育が幼稚園(年長)から始まる米国で、Kinderと1st gradeの違いは確かにあるかもしれない。1年生の方が「お勉強」を意識した教室運営になるのだけれど、でも、どうかな……。そう認めながらもすべてを肯定しきれない部分があり、突き詰めてみたら「それって多分に教師のスタイルによるものじゃないの」というところに至った。
 ここに描かれる幼稚園のレイシー先生は、たんぽぽのネックレスを付け、靴もたんぽぽ色。太陽のような笑顔で、園児たちをクラスに迎え入れている。一方、主人公ヘイリーの一年生の新担任グレイ先生は、派手な演技をする素振りをまったく見せない。そのままペーパーを配るし、アートの時間でさえ紙と画材を手渡すだけ。去年と違う雰囲気にヘイリーは戸惑った。彼女はレイシー先生とグレイ先生の違い一つ一つに注文をつけ、「一年生なんて、サイテー!」と思いながら一日を過ごすのだが……。
 テーマパークのような演出で子どもたちを引き込む工夫――これは、幼稚園と一年生の違いではなくて、単に教師のスタイルの違いである。教授方法でさえホール・ランゲージに重きを置くか、フォニックスやドリル形式に重きをおくか。高学年にいっても、パフォーマンスで魅了する先生たちもいるし、古式ゆかしく教える先生たちもいるし。つまり、ここ米国では教師によってやり方がガラリと変わるので、これから小学校を卒業するまで、いろいろな先生に出会えますよ〜という見本のようなできごとを示しているように思えた。たとえスタイルが変わっても、核となる基軸がぶれていなければいいじゃない。親としていろいろな先生に出会い、わたしもそう思えるようになった。
 気になったのが、グレイ先生がアジア系の先生だったこと。つまり、まじめでおとなしい先生が多いってことなのかな。自分の経験からそんなイメージを抱いてしまったけれど、もちろんそれは関係ないだろう。(asukab)
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  • 最後は「一年生って、サイコー!」。娘も「二年生って、サイコー!」になるといいな

First Grade Stinks!

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