Butterfly Eyes and Other Secrets of the Meadow のはらのひみつ ちいさないきもののうた

 詩+遊び+科学=『Butterfly Eyes and Other Secrets of the Meadow』。本作品は同じ趣向の前作『Song of the Water Boatman and Other Pond Poems (Bccb Blue Ribbon Nonfiction Book Award (Awards))*1と比べ、小さな子ども向けに一段と遊び心の加味された絵本に仕上がった。野原に暮らす生き物たちが、「わたしは誰?」や「それは何?」で終るなぞなぞの詩によって紹介されている。版画によるイラストにも答えの一部が描かれるので、小さな読者は絵と言葉両方から答えの探求を満喫するだろう。なぞなぞの次ページには見開きで、答えとしてそれぞれ生き物たちの生態がわかりやすく丁寧に解説されている。もちろん巻末には、用語の説明も付く。
 詩の主人公は、しずく、バッタ、野うさぎ、きつね、アワフキ、くき、トウワタ、ちょうちょう、太陽、雨、へび、がまがえる、フィンチ、たか、しか、木々……。生物と生態系を両方うたうことにより、広い野原の小さな一点が大きくクローズアップされた。楽しかったのは、へびとかえるの書いた太陽と雨に当てられた手紙。思わず自分もその気になって書きたくなった。
 これは前作以上に、合科的に応用できる絵本と見た。手紙文、詩、なぞなぞ、生き物たちの生態説明文……など、国語ではさまざまな角度からアプローチが可能である。二年生ぐらいからだろうか。こうなったら、池、野原に続き、浜辺、森……とシリーズ化して欲しいな。教師たちの愛読絵本となること間違いなし! ちょっと季節外れのレビューになったけれど、来春の学習プランに入れてもいいんじゃないかな、と主人に提案。(asukab)
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  • 黒を背景に彩りの映えた版画が美しい。前作とは違う版画家によるイラスト

Butterfly Eyes and Other Secrets of the Meadow

Butterfly Eyes and Other Secrets of the Meadow