リーチプロジェクト展示会

 七年生五百名が一同に家族の歴史や自国文化のリサーチ発表・展示をする、リーチプロジェクトの催しが中学校であった。いやあ、すごい! 体育館とカフェテリアを全部埋め尽くした展示のすばらしいこと! 多くは家族の移民史だったけれど、家族に有名人がいれば、その人物の個人史だったり、アートや音楽、編み物や料理に通じた家族であれば、その特徴についてまとめるなど、多種多様な内容だった。
 うちは、わたしの祖父、息子にとっては曾おじいちゃんの生涯について。日本郵船(NYK)の船長だったこと、氷川丸にも乗っていたこと、シアトルには何度も訪れ、ほかにはオーストラリア航路、ヨーロッパ航路、南ア航路などで世界中を巡っていたことを当時の写真を交えて展示した。
 しかし、これだけ生徒数が多いと、すごい人物がいてびっくり。おじいさんのおじいさんのおじいさんのおじいさん……が独立宣言書に名前を連ねているとか、家系学が進んでいる米国ならではの展示が多くあり、ひたすら感動だった。日系人収容所体験の展示には、思わず目頭が熱くなる。強制収容について、「しかたない」と書いたひらがなの文字が人々の気持ちをそのまま表していた。
 生徒たちは一人二十問の質問に答え、質問者(親)からサインをもらわなければ合格できない。というわけで、豆学芸員たちはみな、大人たちを前に必死。性格的に恥ずかしがらずに話せる子とそうでない子がいて、息子の場合、後者かな。オープン間際は慣れるまで大変そうだった。
 民族衣装を着たり、各文化の代表的料理を振舞ったり、米国の中学校ならではの展示会だった。お疲れさま!