とうさんはタツノオトシゴ

 子どもと海の生態を学ぶうちに、タツノオトシゴのユニークな生殖機能を知った。お父さんが卵を産むんだって! 逆立ちしても発想できなかった事実を知り、息子といっしょにへえ〜と驚いたものだ。その後エリック・カールの『Mister Seahorse』(邦訳『とうさんはタツノオトシゴ』)を手に取り、こんなに神秘的な事実をわかりやすく伝えない手はないと思っていたから、待っていました!とばかり、テーマに納得した。
 ここにはオスが子育てにいそしむ海洋生物の様子が、作者独自の鮮やかなコラージュで描かれている。子育てはどちらの性と決めつけていない自然界のあり方に、目からうろこだった。透明シートが間に入り、海のきらめきが美しく伝わる仕掛けまで付いている。
 折も折、絵本ナビでパパ's 絵本プロジェクトが立ち上がったばかりで、この作品はまさに同プロジェクトのテーマブックになるんじゃないかと直感し、熱い思いで感想を投稿したのだったっけ。タイトルはもちろん英語版のほう、まだ邦訳が出ていない2004年の初夏だったと思う。今、このレビューを書くにあたりのぞいてみたら、ちょっとショック……。英語版自体紹介されていず見つからなかった。リニューアルのときに削除されてしまったのかな。確かに掲載されていたのになあ。わりとお気に入りの文章だったので、なんだか残念の巻き。(asukab)
amazon:Eric Carle

  • オスによる子育てが自然になされていることに感動

とうさんはタツノオトシゴ

とうさんはタツノオトシゴ