How We Are Smart マイノリティの偉人を紹介する絵本
渡米した頃に知り、いたく感動した教育論があった。ハーバード大学ハワード・ガードナー教授*1の7つの知性分類(マルチプル・インテリジェンス)である。
- 言語的知性:word smart 言語能力、ここでは国語能力
- 論理的知性:logic smart 数学的思考、数学分野での能力
- 空間的知性:picture smart 空間認知力、絵画や造形など芸術分野での能力
- 身体的知性:body smart 運動能力
- 音楽的知性:music smart 音楽的能力
- 対人的知性:people smart 対人、コミュニケーション能力
- 心内知性:self smart 自己を見つめる能力
- 対自然知性:nature smart 自然と対話する能力(最後に新しく加えられた)
とかく、読み書き算数のみが学習の格とされ、それ以外はおろそかにされがちという(個人的な印象のある)日本の教育にあって、これは七色の希望の光に包まれるような発想だと嬉しくなった。なんだか自分を認めてもらったような感じがして。米国で育っていたら、自分の音楽とか美術とか体育とかの力が幅広く評価されたんじゃないか、なんて少々恨めしくも思ったり。いずれにしても、米国の教育はマルチプル・インテリジェンスをもとに構築されている。*2
『How We Are Smart』には、メキシコ系、日系、中国系、アフリカ系などマイノリティを中心に12人の偉人が紹介される絵本。マルチプル・インテリジェンス、語録とともに彼らに捧げられた詩と略歴が収録される。各分野でさまざまな能力を発揮して世の中に貢献したことが、特にマイノリティの読者には大きな励ましになるだろう。小学3、4年生ぐらいで読むといい。(asukab)
amazon:W. Nikola-Lisa
amazon:Sean Qualls
- イラスト*3が魅力的だよ〜、かっこいい
- 作者: W. Nikola-Lisa,Sean Qualls
- 出版社/メーカー: Lee & Low Books
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: ハードカバー
- この商品を含むブログ (1件) を見る
*1:infed.org | Howard Gardner, multiple intelligences and education
*2:米国にも3R(Reading, Writing, Arithmetic)の発想があるが、すでに過去の産物。