Bronzeville Boys and Girls アフリカ系米国人の少年・少女に捧げる詩の絵本

 自分とのつながりが持てないと、感情移入は難しい。どうつながりを築くかだが、言葉、文化、生活習慣、風土が大きな役割を果たす。
 詩集絵本『Bronzeville Boys and Girls』で、ピューリッツァー賞受賞作家がアフリカ系米国人の少年・少女たちに贈った詩の数々は、ブラック・コミュニティの日常を活写する。躍動感に満ちた詩の各編はそれぞれ、子どもたち一人一人を主人公にして彼らのキャラクターを紹介していく。もし詩の中の子どもの名前が自分のものと一致したら――これって、たまらなく嬉しいことなのだが――たちまち天にも昇るような気分で言葉に耳を傾け、きっかけとして関わり始める。
 今の自分と関わりが持てないと、言葉は瞬時に空しく、宇宙の果てに葬り去られてしまう。関わりを察知できる感性が、あればあるほど世界は広くなり、同時に自分も大きくなれるはず。うちのような小学校にぴったりの詩集なのだけれど、受けるアンテナの鋭さも必要だ。(asukab)
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  • こういう詩が心に染み込んでいけばいいのだけど……

Bronzeville Boys and Girls

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