ゆうかんなミミと大きなクマさん

 クリスマスがテーマではないけれど、今頃の季節にぴったりの、ほっこり心のあたたまる絵本に出会いました。ティファニー・ビークのイラストということで、これだけでもうほろり――絵本との恋に落ちてしまうのですが、しかし、文章を読むまでわかりません。でも、でも、大正解の『ゆうかんなミミと大きなクマさん (児童図書館・絵本の部屋)』でした。
 森で迷子になったうさぎのぬいぐるみミミは、大きなクマさんにおうちまで送ってもらいます。でも季節柄、クマさんは眠くてしかたありません。ミミといっしょにいるときも眠りに落ちそうになり、森に帰る途中、とうとう冬眠に入ってしまいました。ミミはクマさんが心配でなりません。迷子にならないように毛糸をほどきながら森を訪ねてみると、やっぱりクマさんがどでーんと横たわって眠りほうけていました。
 日本語になり原書『Brave Bitsy and the Bear』のイメージがぐっと和らいだ感じがしました。ミミは歌が大好きで森の中でたくさん歌を歌います。この題名を聴くだけでも詩的で軽やかな空気が漂いはじめ、本作の魅力がここに現れているような気がしました。

  • ゆうきりんりんの歌
  • お目目ぱっちりの歌
  • 歩け歩けの歌
  • ねむっちゃだめよの歌
  • のぞみわくわくの歌
  • クマさんどこ?の歌
  • おきろよおきろの歌
  • お日さまいっぱいおめざめ歌

 英語で読み、いまひとつぴたりとこなかった『Book! Book! Book!』『From Me To You』『Snow Friends』も、日本語で読んでみたら印象が変わるかもしれません。(asukab)
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ゆうかんなミミと大きなクマさん (児童図書館・絵本の部屋)

ゆうかんなミミと大きなクマさん (児童図書館・絵本の部屋)