クリスマスのおきゃくさま

 スキーから戻り、2日に家族の新年会。お節もぎりぎり間に合って、みんなに喜んでもらいながら小さな重箱をつついた。やはり、祝いの料理っていいなあを実感しながら。今年は去年の反省から、二の重の焼き物を充実させてみた。
 うちの場合、材料費や器を考慮すると、どうしても家族だけのお祝いだ。お客さまに来ていただくほど余裕がなくて、『クリスマスのおきゃくさま』のような状況を目の当たりにすると、うらやましいやら、笑いがこぼれるやら。クリスマスもあと数日でおしまい。ということで、顕現節を迎える前にクリスマス絵本の紹介を。
 クリスマスを前にして、エクセター通りにあるベンとジェインの家に次々とやってくるお客さま。おじいちゃん、おばあちゃんだったり、友だちだったり、オーストラリアに住んでいるおじさんだったり……。子どもだけでも18人。流しの中では、赤ちゃんがスヤスヤと寝息を立てる。

サンタクロースさま
この家には18人の
子どもがおります。
どうぞ ひとりも
おわすれなきよう
よろしく おねがい
いたします。
マギー・ヤドリギより
ついしん:ながしの中にも ひとりいます。

 いったいぜんたい大人も含めたら、何人がこの家でクリスマスイブを過ごしたのだろう。それにしても古い大きな家といえど、意外な空間がベッドがわりになるからおもしろい。この収容力は、発想力の勝利である。4階建て+屋根裏部屋の見開き横断図が傑作。まるでドールハウスを垣間見ているようで、本作の醍醐味と言える。
 邦訳も原書も、書影がなくて残念。
amazon:Diana Hendry
amazon:John Lawrence