Wild Boars Cook ロソフのいのしし絵本2冊目

 ロソフのいのしし絵本2冊目。ワイルドな4匹が戻ってきた。前回はとっても「悪」な絵本*1という印象で個人的に馴染めなかったのだが、今回の『Wild Boars Cook』はすごくいい。食べ物の話なので、子どもが大いに喜びそう。おなかをすかせたボリス、モリス、ホラス、ドリスの破壊的な食べっぷりが豪快だ。と同時にお茶目でもあり、これが安心感の抱ける要因になっているかもしれない。
 ちなみにはらぺこボリスはホットドッグ35本とやまもりの砂糖菓子を"CRUNCH CRUNCH CRUNCH"、モリスはパイナップルのさかさまケーキとピクルス10本にブーツを"MUNCH MUNCH MUNCH"、ホラスはお月さまほどの大きさのピザを"YUM YUM YUM"。最後に女の子のドリスはお料理の本を食べようとして……。ちょっと待って。ここにおいしそうなプディングのレシピがのっているじゃない。そこで4匹は巨大な特製プディングの制作に取りかかる。
 何が楽しいかといえば、擬音語の繰り返しと子どもの好きそうな形容詞の羅列だろう。野性味あふれるいのししの個性に合った形容詞が、幾重にもなって場を盛り上げる。その間に適当な間(マ)も入り、絵本としての完成度がかなり高いと感じた。 
 やはりテーマは前回と同様に「破壊」である。気がつけばキッチンがめちゃくちゃで、狼藉という表現にぴたりと当てはまるシーンが続くのである。
 最後にはでかでかクッキーのレシピまで掲載され、サービス精神旺盛な絵本。息子のツボにはまりそうな絵本。
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Wild Boars Cook

Wild Boars Cook