A Whiff of Pine, a Hint of Skunk: A Forest of Poems どうぶつたちの森の詩

 これまたすてきな詩集絵本に出会った。鳥の詩集をまとめた絵本『Today at the Bluebird Cafe*1と同じ作者コンビによる動物の詩の絵本『A Whiff of Pine, a Hint of Skunk: A Forest of Poems』である。ページをめくると、スカンクやビーバー、かたつむりやトカゲなど、森の主人公たちが言葉の魔術師に操られて、絵本の中で生き生きとドラマを繰り広げている。
 押韻の楽しさに加えて、光沢のある言葉の選択にも心引かれた。子どもは動物のキャラクター性に魅せられるものだが、そこがみごとに音とイメージの世界で表現されている。調べの心地よさが、絵画を見る心地よさと同時にたっぷり堪能できるのだ。
 そして、イラストも、なんと味わい深いことか。前作で見た鳥を中心とした森の姿に終らず、森の全景や小景、そして四季、子どもの姿も描かれるので、動物の個性といっしょに森の表情に生態系の妙味が生まれている。いい雰囲気なのだ。米国とは異なる自然を目にしていると直感していたが、画家は南アフリカ在住。ちょっと、オーストラリアの香りもした。つまり、南半球の匂いと色合いである。
 子どもへの贈り物にぴったりの愉快な詩集絵本。この次、誰かにプレゼントする機会があれば、必ず本書を選ぼうと思う。娘へのイースター・ギフトにも、いいかもしれない。
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A Whiff of Pine, a Hint of Skunk: A Forest of Poems

A Whiff of Pine, a Hint of Skunk: A Forest of Poems