Tricking the Tallyman: The Great Census Shenanigans of 1790 米国初の国政調査のお話

 "Tricking the Tallyman"は、建国や地元の歴史を学び始めた娘がクスクス笑いをこぼしながら読んでいた絵本。で、わたしも読んでみて、やっぱり面白かった。
 ときは1790年。英国から独立し高らかに建国をうたった米国は、人口調査の必要性に迫られていた。徴税、徴兵、公共費の配分など目的はさまざまだが、当の住民たちにしてみたら何か不利な状況に陥るのではないかと懸念を抱かずにはいられない。調査員が一軒一軒訪問し住人の数を確認する作業は、そんな邪念のおかげで困難を極めるケースもあった。
 ここタンブリッジ村では……、徴兵目的だからと村民が隠れてしまい誰も出てこなかったり、いや、実は公共費分配が目的なので人は多ければ多いほどいいと判断して、家畜までにも服を着せ頭数に入れさせたり……てんやわんやの騒動が……。
 全米で総勢650人の調査員を送り込んだこの国勢調査は9か月を要し、苦労の末、人口3,929,326人を算出した。彼らが尋ねた質問は全6つである。

  • 家長の氏名
  • 在住する16歳以上の白系自由人の数
  • 在住する16歳未満の白系自由人の数
  • 在住する女性の白系自由人の数
  • 在住する奴隷の数
  • 他に自由人が在住しているかの有無

 北米先住民は、人口調査の対象にならなかった。
 2000年の米国人口が281,421,906人で、初回に比べると70倍増。今しがたもこの国の教育の変遷について話していたのだけれど、この様相から未来は読めないな、正直なところ。大変化の渦中に生きているということなのか。
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Tricking the Tallyman

Tricking the Tallyman