Sneaky Weasel 人生、どこまで生まれ変われるか……

 英国の絵本だろうなあと思いながら手にした"Sneaky Weasel"。わはは、案の定、ブラックユーモアがぴりりと効いていて面白かった。自他ともに認める意地悪で嫌味たっぷりのイタチがパーティを開くのだが、いつもいじめられている動物たちは誰も出かけなかった。理由を探ろうと一軒一軒、動物たちを訪ねるイタチ。これだけ嫌われることをやりたい放題やってきたのだから、当然の結果だよね……悟ったイタチは関係を繕おうとする。
 表紙の見返しが、悪者イタチの広告オンパレード。悪徳銀行に始まって、ノミや悪戯小道具を売りに出したりで。対照的に裏表紙の見返しには、改心したイタチの広告。前の広告と呼応して善悪を表現する趣向がすごく生かしている。本文中にも、コミカルな動物たちの表情や、背景に見える気の利いた看板など、存分に目とおなか(笑うため)を楽しませてくれる表現がいっぱいだ。
 こういうブラックユーモアにあふれる絵本、ピューリタンの国、米国には見られないなあ。英国産ならではの内容だろう。子どもはすべてをお見通しなので、首肯の一冊だと思う。
amazon:Hannah Shaw

Sneaky Weasel

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