Pirate's Guide to First Grade 1年生が海賊語で話すとどうなるか

 海賊語は独特の迫力があって楽しい。でも実際に目の前で話されると、すでに雰囲気から圧倒されてしまい、わたしなど何もできなくなってしまうけれど。"A Pirate's Guide to First Grade"は、1年生の男の子が海賊になって――というか、海賊が1年生になって?――新学期の初日を案内する絵本だ。男の子の背後にうっすらと本物の海賊たちの姿が描かれ、読者はけっこう想像力をかき立てられるだろう。
 ただ、初日の緊張感を出すために1年生を選んだのだろうけれど、実際描かれた少年は3年生ぐらいに見える。海賊の迫力も、小さな1年生よりも、少したくましくなってきた中学年ぐらいの年代のほうが似合うのではと感じた。
 荒々しい語りと劇画的な絵がとても魅力的なので、子どもの奔放な本音を忘れかけている大人が喜ぶ絵本かもしれない。後ろの見返しに海賊語のリストが挙げられていておもしろい。

A Pirate's Guide to First Grade

A Pirate's Guide to First Grade

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