Guyku: A Year of Haiku for Boys 男の子のこころ

 またもや、男の子のおかあさんたちが胸を熱くしそうな絵本。こちらは男の子の個性を四季をとおしてうたう俳句の絵本。俳句というよりHaikuと記したほうがいいのかな。読んでいると元気な男の子たちを想起せずにはいられない。
 配色に工夫を施したイラストにも注目したい。モノトーン調セピア色に、春はさ緑、夏は黄色、秋に茶色、冬に青を挿し、季節感あふれる雰囲気を生み出している。
 作者のあとがきが興味深かった。虫取り、木登り、石投げ、雪合戦……と、男の子(あるいは男たち)は、自然の中で遊ぶことが大好きだ。よって、どうして自然を詠む俳句を無視できよう。詩に比べると短くて、瞬間を切り取って描く特性も男の子にぴったりではないか――云々、独自の「男の俳句論」には説得力がある。アウトドアと俳句を結びつける視点が意外に新鮮だ。
 英語の俳句は音節で詠むので、17音で詠む俳句に比べるとかなり多くの対象を詰めることができる。こうして英語俳句が広まっていくといいな。

GUYKU: A Year of Haiku for Boys

GUYKU: A Year of Haiku for Boys

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